上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
…………………………………………………………………………………………


「すべての出来事が過去になる ― クロニック・デジャヴ」

一度も体験したことが無いはずなのに、過去に体験したことがあるような錯覚―既視感(deja vu)。誰しも1回は経験したことのある特殊な感覚ですが、中には全ての出来事に既知・既視感を感じながら生活している人もいます。それが今日ご紹介するクロニック・デジャブです。

フランス語のデジャブ(deja vu)は「already seen(既に見たことがある)」という意味になります。別名である「paramnesia(パラムネシア)」はギリシャ語のpara mn?m?=相似した記憶から作られた言葉です。フランスの超能力研究者エミール=ブワラックが提唱した考え方です。

既視感には通常、「この感覚を確かに知っている」という確信と、「いつどこで体験したかはわからない」という違和感が伴います。

体験とは過去の出来事に関する記憶なので、デジャヴはもともとの体験を記憶として再構築していない場合に起こる一種の混乱だと捉えることができます。しかもこの「もともとの体験」というのも突き詰めていけばはっきりしない場合が多くあるそうです。本当にあったことを忘れていただけだったり、夢での体験を現実として誤解していたり、夢を見たという記憶自体を作り上げていたりと、人の記憶の曖昧さが大きく関わっています。

water.jpg

デジャヴが発生する過程を説明する方法として、いくつかの推測がなされています。

1つ目が二重処理論です。記憶には1度覚えたものを想起する際に働く「回復」という機能と、知っていることと知らないことを分類する「既知」という機能があります。
何かを見ても関連する体験などを掘り起こす回復が働かず、「以前体験した」という既知の機能だけが働いた場合、それがデジャヴとして感じられるという説です。

2つ目が神経病学的な説明です。脳細胞の突発的な興奮(てんかんなど)が起こった場合、既知と未知を分類する機能への情報伝達が混乱することが考えられます。てんかん発作を起こす直前に高い確率でデジャヴを見る、という報告もあります。

3つ目が記憶理論です。現在目にしている現象が引き金となり、実際に見聞きしたもの、映画や本で知ったもの、あるいは想像したことがあるものなど ― あらゆる種類の「記憶の断片」が思い起こされることでデジャヴが感じられる、という考え方です。

4つ目が二重認識論です。全く新しい出来事を目にした時、私達の脳は新しい既知の物事として登録します。しかし脳が誤って別の既知の概念を呼び起こしてしまった場合、新たな分析を完了させるまでの間にあるギャップがデジャヴだ、という考え方です。

続きます
>>クロニック・デジャヴ 2
…………………………………………………………………………………………


前回の記事
>>クロニック・デジャヴ

デジャブに関するおもしろい実験があります。

1)スクリーンに様々な種類の単語群を映し出す

2)数日後、最初に見せた単語のうち半分を含む新しい単語群を見せ、その中から以前見た単語を選ぶ

実験の結果、新しい単語群を映し出す直前に1/200秒程最初に見た単語(既知)を表示したところ、多くの被験者が新しい単語にもかかわらず「前回見た」と誤答することがわかりました。記憶には残っていない単語であっても、意識外のところで「この単語は既知」という能力だけが働いてしまうのです。
私達の記憶を司る能力が簡単に揺さぶられてしまうことがわかります。

以上のように、脳の情報処理過程における一時的な混乱や思い違いがデジャヴを引き起こしているらしい、というのが現在推測されていることです。
しかし既視感自体は非常に短時間の出来事のため、本格的な研究を行うことは難しいと考えられてきました。
参照:>>A10神経

近年になって、このデジャヴを慢性的に感じる人々の存在が明らかになりました。
それがクロニック・デジャブ(慢性的既視感)です。
この人たちにとっては、全ての出来事に既視・既知感が伴っています。

「ある男性がクリニックに来て、『自分は前にもここに来たのに、どうしてまたここにいるのか』と言うわけです。男性は自分がクリニックを訪れた経験があると頑なに信じているだけでなく、私と『初めて』会った時の事を微に入り細にわたって語ったんです。実際には、彼がここに来たことなど無いにも関わらずです」
こう語るのは慢性デジャヴの研究者、クリス=モーリン博士です。

クロニック・デジャヴの特徴は、新しい出来事を既知の経験として捉えるだけでなく、それを正当化するための「もっともらしい情報」を患者自身が「知っている」点にあると博士は言います。

「あるテレビ番組に対して既視感を持っているという夫に、次に何が起こるのか?と妻が聞きました。すると男性はこう答えました。『何でそんなことが私に分かるんだ。私は記憶に問題があるんだ!』」

続きます
>>クロニック・デジャヴ 3
…………………………………………………………………………………………



Prev | HOME | Next

Powerd by ratato
Copyright © 2007 知らなくても生きていける雑学がならぶブログ, All rights reserved.


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。