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前回の記事
>>ラプラスの悪魔

持って回った言い方をしましたが、「わからないこと」は人間にとって「知りえないこと」とはまた別のものだということです。

サイコロの目が出るという現象は、一見確率の問題のように見えます。
しかし、実はこれは単なる物理的な現象の連鎖とも考えられます。

サイコロを振った瞬間、サイコロには手から力が加わっています。そして回転しながら落下する途中に空気抵抗を受けて角度を変え、机にぶつかれば机との摩擦でさらに向きを変えます。

手からサイコロに伝わる力、空気抵抗、接触する際に触れる頂点とその角度、机の凹凸との摩擦。

これらは全て単純な物理現象です。
情報さえあればニュートン力学の範囲で分析を行うことができます。

つまり、これらの情報を調べて知ることさえできれば、どの目が出るのかは正確に予想することができるわけです。

「知りえないこと=原理的に知ることが不可能」なのではなく、ただ人間の知能が及んでいないために「わからないこと=実際に観測することが困難」なのです。

ラプラスはこの「正確な観測と複雑な計算」を行う存在としてラプラスの悪魔を考えました。
その知性にはサイコロを振った瞬間に、もしくはサイコロを振る前に、あるいはサイコロが作られた時点から、それよりもっと前、宇宙が生まれた瞬間から、どの目が出るか正確に予見することができるのです。

少し話がそれます。
映画「マトリックス」のなかで、主人公ネオの師匠であるモーフィアスがこのように語っています。
「君が認識している世界というのは、脳の中を流れる電気信号に過ぎない」


「Everything that has a beginning has an end」

人の感情は全て脳内で分泌される化学物質により認識されます。
好きという気持ちはドーパミンが、不安な気持ちにはノルアドレナリンが、といった具合に分泌される脳内物質により人の感情は動いています。
参照:>>A10神経
脳内の物質の位置と速度さえわかれば、それが将来どのような位置に移動し、どのような効果を発揮するのか正確に予想することができます。(脳内物質も物理法則にしたがって運動しているためです)
つまりラプラスの悪魔には全ての人の気持ち、その将来の変化までも見えています。
あなたがこのブログを読んでニヤついていることや、いつ誰のことを好きになるのかも、です。

ラプラスの想定した悪魔は、いかなる現象も過去の出来事の結果に過ぎないという世界観:「決定論」の基本的な考え方となりました。
実際に観測することが難しいため人間にはわからないが、未来は全て一意的に決まっている、という因果律に基づく考え方です。

しかし、上の「始まりのあるものには全て終わりがある」という言葉の通り、やがてラプラスの悪魔も死を迎える時が来ました。

続きます
>>ラプラスの悪魔 3
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サイコロって穴が開いてて正確な立方体じゃなくね?
【2009/08/01 09:33】 - - #-[ 編集]














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