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前回の記事 インドの魔術師 インドの魔術師 2

繊細な神経の持ち主だったラマヌジャンは異国での生活に体調を崩し、インドに帰ることになります。この帰国が後に数学界を80年以上にわたって悩ませ続ける問題の遠因となりました。

帰印して約半年経った1920年1月。ハーディのもとにラマヌジャンから1通の手紙が届きます。
そこには「擬テータ関数」という名前の付いた数式が17個、書き綴られていました。

テータ関数とは、前述のゼータ関数を考案したオイラーに端を発し、ドイツの数学者ヤコビらが発展させた数学の理論です。
それと関係があるようなので「擬」テータ関数。
手紙からわかるのはそれだけでした。

どのようにしてこれらの数式が生まれたのか。
それぞれの公式はどのような意味を持つのか。
そもそも、擬テータ関数とは何を示す関数なのか。

手がかりは何も示されていませんでした。
しかし今となってはハーディですらそれをラマヌジャンから聞きだすことはできません。
手紙を送った3ヵ月後、ラマヌジャンは32歳でその短い生涯を閉じていたのです。

遺されたハーディたちはラマヌジャンが示した擬テータ関数の解析を進めようとしました。しかしあまりにも時代とはかけ離れたレベルの問題だったため、その全容は長い間把握することができないままにされていました。

2002年になってようやくひとつの転機が訪れます。オランダの数学者が、ラマヌジャンの遺した公式はマースの保型形式とよく似ている、と気付いたのです。
それをきっかけにして05年、擬テータ関数の全体像を示す「1つの公式」が発見されました。超越した天才の仕事にようやく時代が追いついたのです。

擬テータ関数を解明したオノ教授はその追求の難しさをこのように表現しています。
「地球に2分間立ち寄った宇宙人がヘビとフンコロガシに出会い、この2種類の生物から地球の生物の全体像を想像しようとするようなものだった」

テータ関数は現代物理学の超弦理論(スーパーひも理論)(全ての物を細かく観察していくと振動する極微のひもに行き着く、という理論です)で重要な役割を果たすことがわかっています。
擬テータ関数にも同じような役割が期待されています。
いまのところ、自然界の「4つの力」を合わせて説明する統一理論や、宇宙の膨張エネルギーとの関係があるのでは、と考えられています。
(統一理論、余剰次元理論の記事は現在準備中です。もうしばらくお待ちください)

ラマヌジャンは時代を超越した天才でした。
ハーディは彼のことを「自分とは桁違いの天才」(ハーディ自身も偉大な天才数学者でした)と表現しています。数学者の才能に得点をつけるなら、「自分は20点、リトルウッド30点、ヒルベルトは80点、ラマヌジャン100点」と語っています。
また、後にハーディは自分の生涯を振り返ってこのようにも述べています。
「私の最大の業績は、ラマヌジャンを見出したことだった」
「天才とは、閉塞した状況を打開する1つの突破口である」という言葉があります。
ラマヌジャンによる発見を解析し、位置づけることで現代数学、物理学は発展している。
そういっても過言ではないほど彼はいまでも多くの貢献をしています。
近いうちに彼の生み出した定理により統一理論が完成する日が来るかもしれません。

↓その前提となる量子論、古典力学についてはこちら
参照:シュレディンガーの猫
    ラプラスの悪魔

追記:彼の能力を示す有名なエピソードがあります。
ハーディが療養中のラマヌジャンを見舞った際のことです。
「ロンドンから乗ったタクシーのナンバーは1729だった。つまらない数字だよ」
とハーディが言ったところ、ラマヌジャンは
「そんなことはありません。1729は2つの整数の3乗の和に分解できて、しかもその方法が2通りある数の中では最小のものです」と即答したそうです。
(1729=123+13=103+93
このエピソードを聞いたリトルウッドは「全ての自然数はラマヌジャンの個人的な友人なのか」と述べています。

↓ラマヌジャンはすごいと思ったら↓
e_02.gif 

関連項目:
>>モンティ・ホール問題
>>ベイズの定理
>>猫のオスカーのある一日
>>考える人
>>Universcale
>>宇宙の地平線
>>大きすぎて絶対に書き表せない数
>>テセウスの船
>>封筒のパラドックス
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なぜだかわからずに鳥肌が立つ話です(いい意味で)
前にある数学者(名前忘れた)の話を読んだことがあったけど、数学者って具体的に何をしているのか、よくわからないままなのです。
去年だったかいつだったかTVで日本の女性数学者を取材してる番組があったんですが、印象として数学者と言われる人たちは何だか同じものを見ても、ぜんぜん別の見え方のする人たちという印象がありました。日本の女性数学者に関して言うと、数学を通して宇宙の美しさを実感している人だと思いました。
もちろん、数字が天敵の私にはチンプンカンプンな感覚ですが。ただただ、すごいな~と思います。
その中にあっての天才…想像を絶します。
【2007/09/12 01:26】 - ミッチョン #-[ 編集]
>ミッチョンさん
むかしから数学は「神が創ったこの美しい世界の調和を知るための学問」の1つでした(他には音楽、天文学、あと何かもう1つ;)。なので「数学を通して宇宙の美しさを実感している人」という印象は、まさにその通りなのではないでしょうかe-75
ラマヌジャンは天才のなかでも飛びぬけた能力の持ち主だったようです。「別次元」から持ってきたのでは、というくらいの。そんな人たちが遺した公式によって、現代物理学は少しずつ世界の「調和」を解き明かしています。

卒論のデータ整理がはかどらず、自分にあとちょっとだけでも数学の才があったら、と思う今日この頃です。
数学史いがいも真面目に受けておくべきでした....e-277e-263
【2007/09/12 13:45】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
>ウルズさん
はじめまして。
ご訪問&コメントありがとうございますe-420

役に立たない知識ばかりですが、軽いサプリメントぐらいの感覚で読んでいただけたら幸いです。
いずれウルズさんのところにも寄らせていただきます。

もしお暇ならまた遊びに来てください。
よろしくお願いします。
【2007/09/14 17:53】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
>ほびのすけさん
ご訪問ありがとうございますe-249

ウチでは本当に知らなくてもいい知識たちを集めています。必要な知識の獲得に疲れたときの気分転換、程度で読んでいただけたら幸いです

またほびのすけさんのところにも寄らせていただきますe-75
今後もよろしくです。
【2007/09/16 11:53】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]














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