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前回の記事 社会的怠業

フリーライダー現象とは、「共同で作業をおこなう時、集団の人数が増えるにつれて一人当たりの努力する量は減っていく」という現象です。リンゲルマン効果とも呼ばれます。

代表的な例が学校の掃除や合唱のときです。
男性の方なら、小学生の時に「ちょっと男子!ちゃんと掃除してよ!!」と言われたことがあるのではないでしょうか。(特に私は異常なまでに掃除に対して不真面目でした)

社会的手抜きが実際にどういったものであるかを調べたのが、ドイツの心理学者・マクシミリアン=リンゲルマンの行った綱引き実験です。

彼は集団で綱引きをする場合に、各人がどれだけの力を出しているかを調べました。
その結果、1人で引いたときの力を100%とすると、
・2人の時は93%
・3人の時は85%
・8人の時は49%しか出さない
ということがわかりました。
集団の規模が大きくなると、誰しも「自分ひとりくらいは」と思うようになるというのです。

綱引きという運動の特性を考慮した場合、人数が多くなるほど力をこめるのが難しくなるとは思います(綱引きの選手でもない場合)。しかし、この考え方もダーリーとラタネによる傍観者効果の実験で「共同作業に伴う作業のロスではない」ということが立証されています。

リンゲルマン効果、傍観者効果が現れる原因としては以下の3つが考えられています。

1)責任の分散:個人の努力量が明らかになりにくいため良い結果に対する評価が得られない。また悪い結果の責任は分散してしまう。

2)評価懸念(聴衆抑制):自分が他の人がしない何かをした時、他人からマイナスの評価をもらうのではないか、ということが気になる。

3)多数の無知:自分が努力しないのは評価懸念のためであるが、他の人が努力しないのはその必要がないからだと皆が知っているからだ、と思い込むこと。

傍観者効果も集団が大きくなるほど、また自分よりも有能な人が多いときほど顕著になります。
先日特急車内で女性が暴行を受けた事件の際にも、周りの乗客は助けるどころか通報すらしなかったそうです。ここでもリンゲルマン効果と傍観者効果、「自分の周りで異常なことが起きるはずがない」という正常性バイアスが働いていたのだと考えられます。(個人的に『絶望先生』の風浦可符香は正常性バイアスを誇張した性格だと思っています)


~本読みの最中~
「なんで誰も大声を出さなかったのかな?」
「めんどーやから!」
「王子さまがキライだったから!」
「だってな、ゆうながな、声出さんかってな、ほかの人がな、さけんでるもん!」

子ども達は楽しんでくれていたように思います。
純粋に楽しむのもいいですが、耳にした話からなにかを汲み取る力を育てることも大切です。
何故ドロシーは黄色いレンガの道をたどるだけでは帰り道を見つけられなかったのか。いつかこの子たちにもわかるようになってほしいな、と思いながら読みました。

↓ドロシーが悪い魔女を倒すのは銀の靴↓
e_02.gif 

関連項目:
>>考える人
>>テセウスの船
>>ゾウを冷蔵庫に入れる方法
>>ピーターラビット
>>経済学的思考
>>史上最高額面の紙幣
>>シャーロキアン
>>インドの魔術師
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最近カンブリア大爆発を調べてヒットしてから、楽しく拝見させてもらってます

自分はメタフィジカル、形而上学的なので為になりますね

ところでシチュエーションパズルですが、答えは白文字なのでしょうか

携帯からだと、背景に溶けて見えないんです
(´;ω;`)
【2008/01/12 00:56】 - ハックルベリー #-[ 編集]
>ハックルベリーさん
はじめまして。ご訪問&コメントいただき、ありがとうございます。

メタフィジカルに形而上学、ステキな響きです。私は経済学の実証分析を専門とするので、あこがれてしまいます。

ご指摘の通り、シチュエーションパズルや証明問題の答えは白字になっています。携帯からだと見えないのですか…コメント欄に答えを一覧として載せておきます。もしまだ閲覧できないようでしたら連絡くださいv(。・ω・。)v

よろしくお願いします。
【2008/01/12 07:03】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
働きアリを集めてみると2割のアリしかマジメに作業してないそうであとは怠けるんだそうです。マジメな2割を集めて観察していてもやはり8割は怠けるそうで。

いや童話も教訓になりますね~
グリム童話も元のままだと参考になります。
とくに日本昔話とか。
【2008/01/13 01:05】 - ハム好きM #KrTgSfD2[ 編集]
フリーライダー現象ですか…。
会社組織でも本当に会社を支えているのは全体の20%ぐらいであるというのを聞いたことがありますが、同じ現象なのかな?
「責任の分散」と「評価懸念」はわかる気するのですが、「多数の無知」ってのは知らなかったです。

それにしても童話はやはり、侮れませんねe-284
【2008/01/13 02:59】 - ミッチョン #00J7NHAA[ 編集]
>ハム好きMさん
働き者を集めても2割は怠けるようになることから、「怠けてるアリにも何らかの役割があるんじゃないか」という推測がなされています。直接数値で表される作業の能率よりも、それ以外の現場の雰囲気などに対して、です。ご存知かもしれませんが、「ホーソン工場実験」の内容です。

「本当は怖い~」を読んでからグリム童話大好きになりました。子どもたちに水泳を教えるバイトをやってたのですが、そこで読み聞かせをやってるうちにハマってしまって。
感心させられることしきりです。

>ミッチョンさん
貰っている給料以上の働きをしているのは社員の20%、といわれています。おそらく実際の状態と近い値なのでしょう。しかし、その点から残りの 80%(この説によると60%は自分の給与程度、残りの20%はそれ以下の働きしかしないらしいです)が怠けていると断じるのは性急というものです。
何を以て給与に見合う仕事量とみなしているのかハッキリしていないため、企業の利潤率を高めに考えれば、人件費に見合う給与水準を意図的に高く見積もることが出来るためです。(企業側は「労働者が給与分の働きをしていない」ということを主張したいわけです)
いずれまたホーソン工場実験の記事で…
【2008/01/13 10:50】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
こんにちは!
ご無沙汰していてすいません・・・
童話って、本当に
子供の物だけではなく
大人も、凄くためになる事かいてありますよね!
確かに、「誰かが・・」「私一人くらい・・・」って
言う考えって、多かれ少なかれ
ある時がありますね~・・・

今年も、楽しい雑学楽しみにしています。
今年も宜しくお願い致します。
【2008/01/14 13:46】 - ちゃーみー♪ #fQIc5cww[ 編集]
>ちゃーみー♪さん
お忙しいなかご訪問ありがとうございます。

>大人も、凄くためになる事かいてありますよね!
本当にこの間実感しました。
子どもの純粋な心なら見えるものがあるのかなぁ、とも。

今年もよろしくお願いします。
【2008/01/15 13:06】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
童話って奥が深いもんです(>Д<)ゝ
大人ずる賢いとこをついてきてます。。。

今年一発目のポチぃ入れます!

ぽちぃ。。。
【2008/01/16 22:38】 - 俵-YA!! #-[ 編集]
>俵-YA!!さん
ぽちぃありがとうございます。
童話は結局のところ大人が書くので、どこか教訓めいてしまうのかもしれません。非常にストレートな受け止め方をする子どもたちにどこまで伝わるのやら、です。
【2008/01/16 23:49】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
この童話…私は逆に、フリーライダー問題(というよりむしろ個人の権利(⇒生活音を出す)のままに皆が環境資源(⇒街の空間)を過剰搾取する「共有地の悲劇」に近い?)、特に「多数の無知」の要素に関して、その克服法を示唆する教訓のように思えます。
だって、フリーライダー問題は、みんなが本来の労力を負担しないがために社会全体の効率性が低下してしまっている状態ですが、このお話は、今まで好き勝手 騒音を垂れ流していた皆がそれをやめ、快適な街になってハッピーエンドですよね?

現実でも、夜のある一定時間帯に一斉にネオンや家々のの灯りを消して 本来の星空を実感する機会を設けたりする試みの地域があります。
「多数の無知」 ―― 騒音のある環境が当然のようになっていて、もう誰も問題視すらしないのが(本来の「多数の無知」なら内心「個人的に自分はこの騒がしさは嫌だけど、皆はワイワイ楽しんでるから、まぁ世の中そういうもんか」と思っている状態なので、その感覚すら麻痺して却って喧騒に歓迎的なのは 少しシチュエーションが違いますが)、偶発的にも自然の静寂に戻って小鳥の囀りや木々のそよぎを味わう機会を得たことで、本来あるべきより良い住環境に目覚め、それを取り戻すために その後も皆で一致団結した。
ちょうど、大都会への憧れや立ち上る工場の排煙に経済躍進の誇りを感じていた高度成長期から、公害問題・農村風景への郷愁を経て、環境保護に回帰するという時代の過程に重なるような気がします。

フリーライダー問題あるいは共有地の悲劇の解決法として挙げられるのが、個人個人の利益優先ではなく 社会全体の便益を考えた民衆の総意としての地方自治体の法令制定・地域コミュニティールールの存在・道徳としての暗黙の了解 ―― 自己の欲求を一歩下げてでも その規制を皆で守ること。
そういう面からの読み解きでも、なかなか奥深い寓話だと思います。
【2008/03/07 02:21】 - ユマ #ZWpFUC8A[ 編集]
>ユマさん
逆、というよりもこの話はフリーライダー問題の『対偶』として知られているので、このような形で紹介させていただきました。

>フリーライダー問題(というよりむしろ個人の権利(⇒生活音を出す)のままに皆が環境資源(⇒街の空間)を過剰搾取する「共有地の悲劇」に近い?)

『共有地の悲劇』は広義のフリーライダー問題の一例なので、今回のような取り上げ方で問題は無いと思っていますe-247

>フリーライダー問題は、みんなが本来の労力を負担しないがために社会全体の効率性が低下してしまっている状態ですが、このお話は、今まで好き勝手 騒音を垂れ流していた皆がそれをやめ、快適な街になってハッピーエンドですよね?

確かに結果として王子さまは静けさを知り、街も静かになってハッピーエンドです。しかし、結果論だけで物語の構造を事後的に決めてしまうの少々拙速ではないかと思います。

フリーライダー問題:みなが負担を回避する→なんらかの外部性
今回の童話:みなが声を出すという負担を回避→王子の望んでいた世界一うるさい音は聞こえない(望ましくない事態)

結果として観測された『街が静かになって云々~』は、『世界一うるさい音』という客観的に見てマイナスの事態を招こうとしていた王子さまにとって『望ましからざる結果』に他ならないわけです。つまり『皆が労力を惜しむ→望ましくない事態』というフリーライダー問題そのものの構図があります。マイナス(世界一うるさい音)とマイナス(皆が労力を惜しみ、誰も叫ばない)でプラス(街が静かになった)という形です。この話をフリーライダー問題の『対偶』と呼ぶのはこのためです。対偶はもとの命題と審議が常に一致するので。

>個人個人の利益優先ではなく 社会全体の便益を考えた民衆の総意としての地方自治体の法令制定・地域コミュニティールールの存在・道徳としての暗黙の了解

個人の利益を優先すればどこかで利害の対立が起こり、共有地の悲劇として知られる望ましくない結果が引き起こされます。その代表的な例が、ユマさんのおっしゃるように環境破壊なのだと思います。
【2008/03/24 16:09】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]














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