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「You have two cows」

経済学の入門書などで「君は牛を二頭持っている」という話を見かけることがあります。
各体制の特徴を捉えたおもしろい政治ジョークです。


アナーキズム(無政府主義)
・君は牛を二頭持っている。君は隣人から牛を盗み、政府を無視する。

・君は牛を二頭持っている。君は牛のミルクを適正な価格で販売するが、隣人が君を殺して牛を奪いに来る。

・君は牛を二頭持っている。牛達は君がミルクを取る権利など無いと主張し、自分達の社会を作るために出て行ってしまう。

・君は牛を二頭持っている。隣人が君の頭をレンガでぶん殴り、牛を奪い、遊びで牛を射殺する。君はあとで彼らがナチであったことに気が付く。


民主主義
・君は牛を二頭持っている。牛は2-1で君との投票に勝ち、全ての牛肉・ミルクの販売を禁止する。

・アメリカ編:君は牛を二頭持っている。政府は主権者である国民の代表としてその権力を行使する。しかし多数派である国民は支配権を行使できない。なぜなら彼らの意見を代表して述べる議員が、合衆国憲法や権利の章典、50もある州憲法などにより数々の監視を受けて権力均衡の原則に縛られているためである。そのため、政府が君のもつ二頭の牛およびそこから取れるミルクをどのように扱うかは、行政・立法・司法権の相互チェック機能と権力のバランスにより決まる。

・アメリカ共和党編:君は牛を二頭持っている。隣人は持っていない。だから?


貴族社会
・君は牛を二頭持っている。君は二頭とも売り払い、一頭とても大きな牛を買う ― 血統書付きのを。

・君は牛を二頭持っている。君は二頭を剥製にしてロンドンの美術館に展示する。


官僚主義
・君は牛を二頭持っている。当初政府は牛に与える餌、ミルクをとる期間などを規制する。次に政府はミルクを取ってはいけないと言い出す。やがて政府は両方とも取り上げ、一方を撃ち殺し、もう一方からミルクを絞ってはドブに捨てる。そして牛の損失の責任について君に始末書を提出させる。
(官僚主義は無駄だらけ)

・君は牛を二頭持っている。牛を登録するためには17項目からなる登録証を3部作成する必要があり、ミルクを絞る時間など無い。

・アメリカ官僚編:君は牛を二頭持っている。政府は両方取り上げ、プエルトリコの牧場に移送する途中で一頭をどこかへやってしまい、もう一方のミルク絞りを忘れる。

・ソヴィエト編:君は牛を二頭持っている。政府は両方とも取り上げて集められたほかの牛と同じ牛舎に入れ、養鶏業者に世話をさせる。君は養鶏業者から取り上げられた鶏達の世話をする。君は政府の規則が定めた量の卵とミルクを与えられる。


資本主義
・君は牛を二頭持っている。君は一頭売り払って雄牛を買う。牛は繁殖して増え、経済が発展する。君はそれを売り、その収入で引退する。

・アメリカ編:君は牛を二頭持っている。君は一頭売り払って雄牛を買い、牛と雄牛はすばらしい愛の物語を紡ぐ。君はその映画製作権をハリウッドに売って不動産経営に乗り出す。

・香港編:君は牛を二頭持っている。君は義兄名義の銀行の信用状を使って政府系企業に三頭売り払い、会社組合の債権スワップを使って四頭を取り戻したことにし、五頭分の課税控除を申請する。六頭分の搾乳権はパナマの架空企業を通じて実質的に君の会社の筆頭株主が所有しているセイマン諸島の企業に委譲され、七頭分の権利が公営企業に売り渡される。会社の年次報告書では現在八頭の牛を所有しており、もう一頭追加的に所有することを勧告している。その間、君は風水師のお告げに従って所有している二頭を殺してしまう。
(香港は投機の中心地)


共産主義
・君は牛を二頭持っている。政府は両方取り上げ、ミルクの一部分を分け与える。

・君は牛を二頭持っている。地方政府が両方取り上げ、君にミルクの一部を分け与える..... 一回だけだけど。

・カンボジア編:君は牛を二頭持っている。政府は赤いバンダナを巻いた十代の少年を君のもとに送って牛を殺させ、少年は次に君を射殺する。

・中国編:君は牛を二頭持っている。政府は全てのミルクを取り上げるが、君は取り上げられたうちのいくらかを盗み出せばいい(ただし他の誰かが盗んでいく前に)。

・中国・毛沢東編:君は豚を二頭持っている。政府は、君が所有する豚を『善意で』都市部の労働者の食料として提供する運動を開始する。やがて政府は豚肉を作るために豚は必要ないと発表し、君と隣人達は小さな赤い本から正しいフレーズを引用することで、意志の力から豚肉を作り出そうとする。地方の党幹部は意志力による豚肉の創出に成功したと上層部に報告し、人民は飢える。

・ソヴィエト編:君は牛を二頭持っている。君は牛の世話をするが、政府は全てのミルクを取り上げていく。やがて君は監獄に送られる。

・ソヴィエト編:君は牛を二頭持っている。よく数えてみたら四頭だった。もっとウォッカを飲み、もう一度数えてみると十六頭になっている。君はさらにウォッカを飲み、しばらくすると十六頭の牛が二頭になっていた。君はさらにウォッカのボトルを空け、消えてしまった十四頭分のことを忘れようとする。


中央集権主義
・君は牛を二頭持っている。そして牧場に集められた100,000,000頭の中からそいつらを探し出すのに苦労する。


ニューディール政策
・君は牛を二頭持っている。政府は両方とも取り上げ、片方を撃ち殺し、もう一方からミルクを取る。ミルクは全てシンクから流れ出ていくが、政府はどこかにミルクを貯める大きなタンクがあるんだと言い張る。


ファシズム
・君は牛を二頭持っている。政府は両方とも取り上げ、牛の世話のために君を雇う。そして君にミルクを売りつける。

・君は牛を二頭持っている。君は政府にミルクを献上し、政府はそれを売って儲ける。

・君は牛を二頭持っている。政府は片方を取り上げ、軍役につかせる。


イギリスイズム
・君は牛を二頭持っている。両方ともへタレ牛である。君はそれらをヨーロッパに売りつける。

・君は牛を二頭持っている。片方はBSEに感染している。君はもう一方を検査し、わが国にはBSEなどないと発表する


オーストラリアイズム
・君は牛を二頭持っている。君は一頭をビーチに連れて行ってサーフィンを教え、もう一頭をつぶしてバーベキューをし、VBを飲み、牛がサーフィンをしているのを見て笑う。
(VB:オーストラリアで人気の野菜ジュース。おいしくない)


バーレーンイズム
・君は牛を二頭持っている。政府の高官が一頭取り上げ、ミルクを売って利益を得る。政府は牛が一頭しかいないため人々を養うだけのミルクが足りないと説明し、人々は失業と飢えからイラクの旗を掲げて叛乱を起こす。議会は11ヶ月間も審議を行った後、雇用を確保するために10人のバーレーン人を雇い、一頭の牛から10人同時に乳絞りを行わせる。
(かつての絶対君主制下での民主化運動を取り上げて)


エジプトイズム
・君は牛を二頭持っている。両方ともムバラクに投票するんだってさ!
(高い支持率を誇るエジプト大統領です)
参照:小ネタ集 [4]


企業
・アメリカ企業:君は牛を二頭持っている。一頭を売り払って、もう一頭から四頭分のミルクを絞る。そして牛が死んでしまうのに驚く。

・ドイツ企業:君は牛を二頭持っている。君は牛を改良し、寿命百年、食事は月に一回、自分でミルクを絞る牛を開発する。

・フランス企業:君は牛を二頭持っている。君は三頭欲しいと言ってストを張る。
(ストライキはフランスの風物詩。特に運輸関係)

・日本企業:君は牛を二頭持っている。君は技術革新により、通常の十分の一のサイズでありながら二十倍のミルクを生産する牛を開発する。そして『ウシモン』という賢いウシを主人公にしたアニメを作り、世界中で売りさばく。

・イタリア企業:君は牛を二頭持っているが、どこへやってしまったかは知らない。

・ロシア企業:君は牛を二頭持っている。数えてみると五頭いる。もう一度数えなおすと四十二頭だった。さらにもう一度数えたら十二頭になっている。君は減った牛の数を元に戻すため、もう一本ウォッカのボトルを空ける。

・スイス企業:君は牛を五千頭持っている。しか君の所有している牛はいない。君は牛を預かることで金を得ている。

・中国企業:君は牛を二頭持っている。三百人の人が牛からミルクを絞っている。君は完全雇用と高生産性を達成したと発表し、実態を報じようとした記者を逮捕する。

・インド企業:君は牛を二頭持っている。君は彼らを崇拝している。

・イスラエル企業:ここに二頭のユダヤ教徒の牛がいる。いいね?彼らはミルク工場を建て、アイスクリーム屋を作り、映画の製作権を販売する。そして彼らは自分の子牛を医者にするためにハーバードに留学させる。ここに、人間が入り込む余地なんてあるかい?


関連項目:
>>マーフィーの法則 [1]
>>シチュエーションパズル [2]
>>1=2の証明
>>おもしろ法律 [1]
>>経済学的思考
>>世界最大のクロスワード
>>バター猫のパラドックス
>>インテリジェント・デザイン
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2頭の牛でこれだけ、その社会や政治の仕組みが説明できてしまうことがすごいと思いました(いや、ビックリe-268
【2008/06/15 21:45】 - ミッチョン #00J7NHAA[ 編集]
官僚主義は無駄だらけ。
うわぁなんか最近笑えないわぁ・・・・・・・・
【2008/06/18 13:56】 - magatu #-[ 編集]
面白い法則なんだ…
【2008/06/22 06:41】 - なんて #-[ 編集]
>ミッチョンさん
しかも私が大好きな皮肉たっぷりに、です。

>magatuさん
これで言いえて妙、というのが悲しいところです。

>   さん
はじめまして。
息抜き程度に楽しんでいただければ幸いです。
【2008/06/24 14:51】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]














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