上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
…………………………………………………………………………………………


前回の記事 >>控除率と射幸心

射幸心とは読んでそのまま、幸せを求める心です。
身近なところでは神社などで買うお守り、スポーツ選手のゲン担ぎなどが代表的です。私も水球の試合があるときは、必ず頭からプールに入ると決めています(泳げる人にはこれが一番普通の方法でもあるのですが)。しかしパチンコメーカーのCMと同じくらい「幸せの〇〇」グッズが氾濫している現状を見るにつけ、強すぎる射幸心が時に正常な判断力を奪うことがあるという認識が必要だと感じます。

競馬やバカラなど、ほとんど全ての賭け事はその過程を楽しむように出来ています。馬の走る力強く美しい姿、応援する興奮、カードをめくる際のしぼり(じらすようにゆっくりとめくる方法)、そしてもしかしたらお金がもらえるかもしれないという少しの期待。

正常な判断力を持っている人であれば、自分の好きなところに好きなようにベットし、結果が出るまでの期待と興奮の入り混じった気持ちを楽しむという方法でギャンブルと付き合うことが出来ます。ついてくるお金はオマケです。

しかしあまりにも射幸心が強いと、賭けの過程ではなく、返ってくるお金という結果のみを追い求めるようになってしまいます。ロトの数字を予想する機械だの、宝くじに当たるようになる黄金の招き猫だのに頼る状態を思い浮かべていただければわかりやすいかと思います。また、ひたすら高額配当だけを狙った賭け方を繰り返すのも判断力の欠けた状態だと言えるでしょう(所謂”大穴”の控除率は一番高く設定されています)。これらの症状はギャンブル依存症と呼ばれる状態です。WHOの指定するれっきとした病気であり、正式には「病的賭博」と呼びます(『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』より)。

射幸心には幸せを求めるという以上にもうひとつ重要な側面があります。
それが「他人よりも幸せになりたい」という気持ちです。
自分は当たるかもしれない、自分にはお金が入ってくるかもしれないという過剰な期待は、大きな数の人間の中ではまったく無意味です。しかし自分自身は本人にとって特別な存在であるため、人は自分だけは幸運に恵まれるかもしれないと思っています。信じているといったほうが正確かもしれません。

バカラ
バカラ
他のプレーヤーに対する敵対心などから掛け金が高騰しやすいギャンブル。日本では違法。


現在のパチンコなどに代表されるギャンブルは、射幸心を刺激する傾向が強まっているといわれています。テレビでもタレントを起用して「熱い勝負」だの「博打から娯楽へ」だのとCMを垂れ流しているわけですが、そこには依存症になる危険性を知らせる警告を載せる決まりも、放送時間帯に関する規制もありません。病的賭博が周囲に害をもたらすものであるとの認識を持つのであれば、タバコなどと同じような規制があってもおかしくないのではないかと思います。

たしかにギャンブルはサービス産業の一種であり、健全に遊ぶ限り尊い経済活動のひとつです。ただし、現実に利益を生み出す実業とは対極にある虚業の、しかも最たるものです。
自らの射幸心と控除率などの客観的な情報を天秤にかけ、ストレス解消を目的としてほどほどに付き合うこと。これが最善の自衛策と言えるでしょう。運営側もそのサービス産業としての健全性を主張するのであれば、病的賭博の実態把握と経営内容の透明化が必要なのではないでしょうか。


追記:射幸心とは裏の関係に当たる心理もあると考えられます。例えば、自動車が危険な乗り物だということはほとんどの人が意識していないことです。なぜなら、実際に自分が冷たい鋼に肉を削られる体験をするまでは、人は「自分だけは大丈夫」という意識を持っているからです。不幸は他人が経験するものであり、自分には関係ないという根拠のない自信。不幸を幸福というものの存在に対して二義的な意味で捉えるのであれば、これもまた射幸心と呼べるものではないでしょうか。


関連項目:
>>プチプチをつぶす心理
>>A10神経
>>考える人
>>共感覚
>>ブロッケン現象
>>クロニック・デジャヴ
>>社会的怠業
>>インテリジェント・デザイン
スポンサーサイト
…………………………………………………………………………………………





とても論理的で説得力のある文に、ただただ首を垂れる私です(笑)
昔付き合い程度にパチンコをしていた時は、けっこう遊べたので相手が終わるまでの時間つぶしも出来たけど、いつ頃からか遊べなくなりました。
2000~3000円が、あっという間になくなってしまうのです。そうなるとストレス溜まりまくり、パチンコの付き合いはやめました。
今は宝くじへの射幸心は未だに持っているのですが、イカンことに毎回買い忘れるのですe-263

追記の部分も大いに納得せざるを得ません。
自動車の乗り手は自分が加害者になるので、注意深いと思いますが、自分は自動車に当たっても跳ね返せると思っていそうな歩行者や自転車を毎日のように見かけます。(日に何度も…と言ったほうがいいくらい)
【2008/11/02 13:42】 - ミッチョン #00J7NHAA[ 編集]
私が賭け事をしないのは射幸心が薄いわけではなく、意志が強いわけでもなく、当然品行方正であるはずもありません。
それは、日々マーフィーとの壮絶な闘いに明け暮れているのでゆとりがないだけです。

少し前ですが、パチンコ屋の看板を見て複雑な心境になりました。
幹線道路沿いの巨大な看板いっぱいにこう書かれていました。

店長代わりました。御期待ください。
【2008/11/02 19:39】 - ぐすたふ #-[ 編集]
>ミッチョンさん
昔はパチンコのコンピューターもたいしたものじゃなかったので、テクニックである程度勝てたと聞いています。いまは店の都合で控除率がマイナス~プラス1000%と自由に設定できるそうです。

宝くじは「当たったら何に使おうかなー」ってのを想像(妄想)するのが楽しいです。でもたいがい使いたい分全部合わせても100万いきません。小さく育てられたものです。私もミッチョンさんと同じく、まずは買わないと当たるはずもないのですが。


>ぐすたふさん
そのマーフィーを一時的にでも忘れたいがためにあれだけの数の人が四角い台に向かっているのではないでしょうか。

それにしても前の店長さん、よっぽど渋ちんだったんでしょうねえ…辞めて喜ばれるなんて、どこかの米国大統領みたいです。
【2008/11/05 01:17】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
ふふふ・・・v-389
そうなんですよ~!ギャンブルに手を出しても、しょせん儲かるのは胴元の方だけってのは、頭では理解してるつもりっす。だけど実際にギャンブルに手を出すと、そんなのへ理屈だぁ~!とかなんとかいって、ついついギャンブルに熱中してたりするんですよね。

ちなみに銀四郎が過去にパチスロv-66で失った金額は、もう天文学的数字(ちょっと大げさかも?)になりますYO~!今でこそギャンブルからきっぱりと足を洗った銀四郎ですが、またいつかギャンブルにのめり込む日がやってこないか!という事が、ちょっとだけ心配でおます~!!
【2008/11/05 21:10】 - 銀四郎 #-[ 編集]
>銀四郎さん
なんだかんだいって賭けるの楽しいですもんねー。私もこんな記事を書いておきながら、海外では「ちょっとお小遣いかせぎ…」とかいいながらカジノに通ってたりします(落としていくお金は可愛いもんですが)。

>いつかギャンブルにのめり込む日がやってこないか
そんな時はこの記事と控除率のことを思い出してあげてください。
【2008/11/09 23:43】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
流行って無さそうな近所のパチンコ屋が先日、「萌えパチ・萌えスロ」という狂気の売り文句と共に看板も真っ黒に染め、店員もメイド服になっていました(私は入ってませんが、入口が開いた時に見えたのですよ)
大変なんだなぁ…

射幸心…概念としては誰もが知っていることでしょうが、やはり言葉として捉えた方がすっきりしますね

ところで、射幸心、あるいは自らは他人よりも幸せになれるという信仰により、賭博に手を出すとして、恐らく大多数の人間は返り討ちに合うと思います。誰と比べているかは置いておいて、多くの人が手を出す以前より如何ほども幸せになっていないという理想との乖離…しかし、それでもまた手を出してしまう…
結果だけを追い求める人達が、最も重視するはずの結果に重きを置いていないという矛盾なのか?それでも揺るがない信仰?

バイアスが大きく働いているんでしょうね。確証バイアスでしたっけ?
ギャンブルはお金を捨てるものと前もって防御線を張っておき、控除率や僅かな当選確率を天秤に掛ける物として捉えていない。目を瞑る

当たるも八卦、当たらぬも八卦という言葉は卑怯ですね。まるで当たるか外れるかはそれぞれ50%の確率で発生するように思えてしまいます。私だけ?w
【2008/11/15 11:30】 - yamu #mQop/nM.[ 編集]
>yamuさん

>結果だけを追い求める人達が、最も重視するはずの結果に重きを置いていないという矛盾
ご指摘の通りだと思います。本当にお金を増やしたいならもっと別の方法もあるわけで。それが成功するかどうかはまた別の問題ですが、パチンコにのめり込んでしまうほど自制心の欠如した人が他の分野なら上手くやれる、というのは説得力のない議論ですよね。

バイアスは大きいと思います。脳で全ての情報を処理していては追いつかないので、無意識のうちに情報の前処理を行う。バイアスは確かに効率の良いシステムだといえます。しかし現実的な問題を引き起こすとなると…
病的賭博の場合も、強すぎる射幸心がバイアス自体をより不可視化し、補強しているのだと思います。

日本ではパチンコ以外のギャンブルを官が独占しています。そのため競争原理が働かず、欧米よりも高い控除率がまかり通っているのが現状です。当たるも八卦、当たらぬも八卦。そんなどっかのいかがわしい占いじゃあるまいし、そろそろデータに基づいた議論を行い、健全な経済活動として運営されるよう考え直す時期が来ているのではないかと思います。

それにしても、何でも「萌え」をつければいいという世情には辟易してます。実際需要があるから流行っているのでしょうが、もっと別のところで経営努力をしてほしいものです。
【2008/11/16 23:27】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]
ギャンブル

未成年なのでまだ経験は無いのですが、トランプ・麻雀などをやっているときに、期待しすぎて失敗(負け)てしまうことがしばしば・・・。

自分が損をする、というより他人が得をするというところに目をつけると、自分はそんなに漬からないだろうと思いますね。

家族は誰一人としてパチンコには行かないので(自分も行きたいとはあまり思わない)体験談はほとんどないのですが、カジノでお母様が儲けた金額をお父様が失ったと聞きました。

やっぱり、なんだかんだ言って個人差はあるんでしょうね。。。
数字では表せない何かが。
【2008/12/04 16:33】 - ティガウッズ #-[ 編集]
>ティガウッズさん

>数字では表せない何か
数学的にどうこうよりも、一時の感情に流されてしまう人が多いということではないでしょうか。昔と違って、長期的に勝つことは不可能なのに。本来はギャンブルにのめりこまざるを得ないような経済状態に追い込んだ政府の無策が糾弾されるべきなのでしょうが。

麻雀も楽しいですが、あれはギャンブルとは少し正確を異にするものなので今回は省きました。いずれ取り上げるかもしれません。
【2008/12/09 02:12】 - まぁくつ #Ouk1KsT2[ 編集]














管理者にだけ表示を許可する


| HOME |

Powerd by ratato
Copyright © 2016 知らなくても生きていける雑学がならぶブログ, All rights reserved.


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。