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前回の記事
>>経済学的思考2

流行のエセ経済学についてのお話です。
それらしく聞こえる提言は、なぜ経済学的に間違いだとされてしまうのでしょうか。
家賃規制と最低賃金を例にとって説明したいと思います。

「(1)貧しい人たちでもちゃんとした家に住めるよう、住宅家賃の上限を制限する必要がある」

これは家賃規制の問題です。
家賃を規制することは住宅供給の量と質に悪影響を及ぼし、本当に援助を必要とする人々を助ける政策のなかでもきわめて非効率的な方法だ、とほとんど全ての経済学者が考えています。なかには家賃規制を「爆弾以外で都市を破壊する最良の方法」と批判する人もいるくらいです。

しかし、多くの自治体は経済学者の意見を無視して家賃規制を実施しています。

家賃の上限が決まっていれば人々は安く家を借りられるし、貧しい人でもちゃんとした住宅に住めるはずだ、と規制賛成派は主張します。
残念ながらこの意見は短絡的であり、長期的な視野が欠落していると言わざるをえません。

家賃の上限が法律で定められた場合を考えてみましょう。
法律で家賃の上限が制限されたあと、しばらくの間は家主が所有する賃貸アパートの数は変化しません。得られる賃貸料が減ったからといって、すぐにアパートを取り壊す人はいないからです。つまり短期的には人々は家を安く借りることができるようになります。

しかし、長期になると話は別です。
家賃の上限が規制されているため、家主はアパート経営に魅力を感じなくなります。低家賃に反応した家主は新しくアパートを建てるのを控えたり、既存の物件の補修を怠るようになり、なかには古くなったアパートを取り壊してしまう人もいるでしょう。
逆に、借り手の人々も低家賃に反応します。安い家賃で済むなら、より多くの人が家を借りたいと思うようになるでしょう。
つまり住宅に対する需要は増えるのに、供給は減少してしまうわけです。
その結果、家主の手元には家を借りたい人の長い順番待ちリストが出来上がります。家主からすると「ほっておいてもこれだけの人が借りたいと思っているのに、建物を改良・維持する必要はないだろう」と考えるようになります。
結局長期的に考えると、借家人にとって家賃は安くなっても、借りられる住宅の数は減少し、質も悪くなるわけです


(4)の最低賃金問題は家賃規制の裏返しです。
最低賃金が引き上げられると、企業側は最低賃金に満たない能力の労働者(この場合主に若者)を雇用しなくなります。最低賃金の額を支払って雇用しても、それに見合う働きをしないと判断するからです。
逆により多くの若者が、学校に行かずに働いたほうがいいと考えるようになります。
その結果働こうとする若年者は増加し、企業の雇用は減少するため、若年層の失業率が高まります。

代表的な研究において、最低賃金が10%上昇すると10代の雇用は1~3%減少することが明らかにされています。
つまり最低賃金が10%引き上げられたからといって、若年者の平均賃金が10%上昇するわけではないということです。

現在の日本の首相は、ワーキングプア対策として最低賃金引き上げに意欲を示しています。
賛成派は最低賃金引き上げが労働者の所得を増加させるひとつの方法だと信じています。現行の最低賃金の全国加重平均日額は5,292円です。現在の最低賃金を稼ぐ人々は低い生活水準に押しとどめられてしまう、という賛成派の指摘は正しいと考えられます。

しかし、そのような最低賃金の労働に従事しなければならないようになった理由はどこにあるのでしょうか。教育関係予算や母子手当ての削減などの政策が、低賃金労働にしか従事できない労働力を大量に生み出していることは長らく指摘されてきたことです。

また最低賃金反対者は、最低賃金制により未熟練労働者の一部が職業訓練の機会を奪われていることを問題視しています。企業からすると、(彼らから見れば)高い最低賃金を支払ってまで未熟練労働者に研修を行うというインセンティブを持ち得ないわけです。反対者達はほかにも、最低賃金は失業を増加させて若年者の中退を促進すると批判しています。学校に通う魅力が相対的に低下してしまうためです。


続きます
>>経済学的思考2-3
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