1982年、イギリスとアルゼンチンの間でフォークランド紛争が起こります。その際にアルゼンチン沖のサウスジョージア島上空を飛行した複数のイギリス海軍兵士達が、作戦終了後に興味深い報告書を提出しています。
「戦闘ヘリによりサウスジョージア島上空を低空飛行したところ、地上にいたペンギン約40万羽が
航空機の進行方向に向かって仰向けに倒れていった」
これが世に言う
ペンギン将棋倒し現象です。

航空機を警戒して目で追っているうちに、首の仰角だけを上げていったためバランスを失って倒れたのでは、という推測で報告書は結ばれていました。
この「事件」は海軍上層部にも報告され、それを聞いた生物学者たちが
「ペンギンはそんなにバカではない!」と反論して注目を集めました。
確かにペンギンは倒れやすい生き物だといえます。
彼らは冷たい地面との接触をできるだけ抑えるため、よくかかと立ちをしています。また風に向かって立つため全員が同じ方向を向く習性があるともいわれています。
かかと立ちの姿勢でずんぐりむっくりしたペンギンたちが、航空機の飛び交う紛争地帯で40万羽も同じ方向を向いてじっと立っている。
思い浮かべるだけで非常にコミカルな光景です。
さらに飛行機を見上げたペンギン達が順番に倒れていったら...
そりゃ兵士達も報告したくなります。
なぜ将棋倒しがこんなにも騒がれるのでしょうか。
それは現象の面白さだけでなく、ペンギンの種としての存亡にかかわる大きな問題が含まれていると考えられるからです。
倒れたペンギン達には圧死する危険があります。さらに、ペンギンはいったん卵を抱いたら孵化するまでその場を離れることはありません。逆に一度卵から離れるとその卵を抱かなくなってしまうという報告もあります。
将棋倒しが原因で絶滅なんかしたら、それこそやりきれません。
紛争から18年経過した2000年。
イギリスの科学者達がペンギンドミノの真偽を確かめる調査を行うことになりました。
続きます
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ペンギン将棋倒し 2